シナリオ監修 なるせ ゆうせい

今回も、ミュージックビデオ作成にあたりシナリオ担当として声をかけてもらったということは、今まで良い働きをしてたってことでよろしかったですね。
毎回マレさんの突発的無茶振りオーダー（笑）に頭を悩ませ、一向に降りてこない神のお告げを待つばかりではあるんですが、思いの外すんなりキックオフミーティングが終わったのを記憶しています。
物語を作る上で、まずやはりベースとなるのは、その曲の持つイメージ。初めて「たどり着けるまで」の曲を聞かせてもらった時には、なんと言いますか、包み込んでくれるような温かい愛を感じつつも、その中に、切なさ、儚さみたいなものが入り混じってる感じがしました。ですので、今回の物語もそこからインスピレーションを感じた構成で作らせていただいた事を覚えています。
そして実際、完成したMVも見させてもらいましたが、まあ、子供達の表情がいいですね、こぞって坊主の男の子達、いい！そしてこぞってモンペ姿の女の子たちも、いい表情！戯れと別れと、そしてまた会おうね、の約束。特にセリフはないけれど、音楽とともにそのやりとりが聞こえてくるような、そんな作品で涙がちょちょ切れそうになりました。

それにしても戦後８０年ですか・・。
満州に赴いたうちのお爺ちゃんからは、昔よく戦争の話を聞いたことがあった。普段は物静かでほとんど喋らない爺ちゃんだったけれど、戦争の話になると、突然人が変わったかのようにその頃の状況を鮮明にエンドレスに話をする。そして夜中寝静まった後、「突撃ー！」などと突然の大声で叫ぶ、寝言でだ。それだけ戦争とは、体験したものの記憶の奥底にずっと止まっているのだと思う。僕らはそんな戦争を体験していない。そしてこの先、どんどん体験者がいなくなる。だからこそ、その想いを紡いでいく必要があると思う。このミュージックビデオが想いを繋ぐものとして永遠に残るならば、今回もまたヘブニーズさんたちの仲間になれたこと誇りに思います。